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びったんびったん

ユーザビリティ・プログラミングについて。

Undo の設計 - 元に戻す・戻さない操作の違い

例えばテキストエディタに文字を入力してから元に戻すと、入力した文字は消える。しかしテキストエディタでスクロールしてから元に戻しても、スクロールは戻らない。当たり前かな?じゃあコードの折りたたみはどうだろう?答えはどちらもで、 Visual Studio は元に戻るし、 Sublime Text は元に戻らない。つまり Sublime Text でコードを折りたたんだ後で折りたたみを解除しようとしたら、その直前に入力した文字が消えてあわててやり直す( Ctrl + Y )ことになる。大変よくない。

これはほんの一例だが元に戻す操作と元に戻さない操作の違いは不明瞭だ。この辺りをネットで調べようと思っても Undo の実装しか引っかからない(それはそれで大事なのだが)。仕方がないので自分で書く。なのでこの辺りに詳しいサイトや書籍をご存知でしたら教えてください。

元に戻す操作と元に戻さない操作の違いが明瞭になると何が嬉しいのか?

ユーザの予想が効く

文字の入力は元に戻りそうだから Ctrl + Z 、スクロールは元に戻らなさそうだから逆スクロール、のような予想の効く操作が増え、とりあえず Ctrl + Z してみて駄目だったら Ctrl + Y するような残念な UI が減る。

Undo は PC 初心者でもわりと使うショートカットなのでユーザ全体の使い勝手が向上する。馬鹿にできない。

開発が楽になる

昨今のリッチなソフトウェアにおいて Undo 機能は必須だが売りにはできない空気のようなものだ。そんなもののために元に戻すか戻さないかで悩まなくてすむ。

あれ?スマホアプリや Web サービス全盛の時代にこの話関係なくない?スマホアプリは関係ないかもしれない。しかし遠い将来、少なくない数の Web サービスが PC Twitter クライアントのようにブラウザ上ではなく OS 上で動くかたちになっているはずだ(なっていてほしい)。Web サービスを使うにはブラウザをアクティブにしてからタブを切り替えるなど2度手間だし、ブラウザに奪われてショートカットも満足に使えないし、うんざりである。Web サービスはどの OS でもどのスマホでも動くクロスプラットフォームだからって安易に量産されすぎだ!開発者の怠慢だ!

元に戻す操作と元に戻さない操作のパターン

ファイルの内容が変更される操作を元に戻せるようにする

先の例だがテキストエディタに文字を入力するとファイルの内容が変更される。しかしスクロールしても見え方(ソフトウェアの状態)が変わるだけでファイルの内容は変更されない。このパターンに従うとコードの折りたたみは元に戻らないことになるが、私は元に戻るほうが便利だと思う。

元に戻すコストが大きい操作もしくは不可逆な操作を元に戻せるようにする

文字列を Backspace 押しっぱなしでガーッと消した後に Ctrl + Z なしに元に戻すのは手間である。またコードの折りたたみも押しやすいショートカットが割り当てられていることは少なく元に戻しづらい。だから元に戻せるようにする。しかし Visual Studio の出力のクリアなどは元に戻せなかったりする。

メインコンテキスト上の操作を元に戻せるようにする

Visual Studio の出力のクリアなどを元に戻せるようにするとひとつ困ったことが起こる。それはエディタ上で Undo するとエディタが元に戻り、出力上で Undo すると出力が元に戻るため、エディタを元に戻したいのに出力上で Undo してしまうことだ。そのためメインコンテキストであるエディタだけ元に戻せるようにし一貫性を保つことでユーザが混乱しなくてすむようにする。しかし別のコンテキスト上のインプットボックスも元に戻せたりする。

ユーザが元に戻したいと思う操作を元に戻せるようにする

ここまで譲歩して都合のよい解釈をしても駄目だ。 Visual Studio の定義へ移動という機能があるがこれは Ctrl + Z では元に戻らない。しかしページ遷移専用の元に戻るとも言うべき前に戻る( Ctrl + - )で元に戻る。つまり Ctrl + Z には一定の基準がありそれにあぶれつつも元に戻したい操作には別の元に戻るコマンドを新たに作らないといけないらしい。

すべての操作を元に戻せるようにする

Ctrl + Z を連打することになってしまう。

まとめ

複雑すぎてまとめきれなかった。元に戻す操作か元に戻さない操作か迷っている方の参考なれば嬉しいです。